手術について/腋窩リンパ節の扱い

浸潤がんの場合 リンパ節郭清する レベル1の範囲の郭清
レベル2までの範囲の郭清
レベル3までの範囲の郭清
センチネルリンパ節生検 用語集 をする
非浸潤がんの場合 センチネルリンパ節生検 用語集 をする
なにもしない
リンパ節郭清 用語集
リンパ節郭清とは、局所リンパ節の再発を防ぐために脇の下のリンパ節(腋窩リンパ節)をまとめて取り除くことです。乳がんの手術では温存手術、全摘手術いずれの場合にも、リンパ節郭清を行うかどうか決める必要があります。リンパ節転移が予想される程度によって、取り除く範囲が決まってきます。
【メリット】リンパ節を取り除いて病理検査を行う(リンパ節転移の有無や個数を調べる)ことで、術後の補助療法を決める上での重要な判断材料とすることができる。
【デメリット】リンパの流れを遮断するため、術後に腕が上げづらくなったり、術側の腕がだるくなったりむくんだりするリンパ浮腫 用語集 が起こりやすくなる。腕の機能障害は、リハビリをすることによって改善が可能です。

センチネルリンパ節生検 用語集
センチネルとは「見張り」を意味します。センチネルリンパ節は、乳がんが最初に転移するリンパ節で、ここに転移がなければその先のリンパ節にも転移がないと考えられます。そこで、乳房に放射性同位元素や色素を注射し、色素に染まったり、放射性同位元素が集まったりしたリンパ節をセンチネルリンパ節として摘出して、がんの転移の有無を調べるのがセンチネルリンパ節生検です。センチネルリンパ節に転移がなければリンパ節郭清は行わない施設が増えてきています。
【メリット】リンパ節に転移がなかった場合、不必要なリンパ節郭清を行わずに済み、リンパ浮腫などの後遺症の心配が少なくなる。
【デメリット】臨床で行われるようになった歴史が浅く、長期間に及ぶ成績が明らかでないこと。まだ実施している医療機関が限られているということ。検査でセンチネルリンパ節が見つからない場合があること。手術中の迅速診断では「転移なし」だったのに、手術後の精密な診断で転移が見つかる場合がまれにあること。