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・ VOL-Netについて〜活動の記録〜
■実施日 2009年2月14日(土)午後2時〜4時半
■場所 文京シビックホール 3階 会議室
■テーマ 乳がん病理の基礎知識
■講師 東海大学医学部 基盤診療学系病理診断学領域 准教授
 梅村 しのぶ 先生
■参加者数 82人
季節外れのポカポカ陽気の中、テーマ勉強会「乳がん病理の基礎知識」を開催しました。
VOL-Netではこれまでにも病理をテーマに勉強会を開催していますが、今回講師にお迎えした梅村しのぶ先生は、病理がご専門のドクターです。手術後の治療法を決定するための重大な資料となる「病理診断結果」は主治医から聞くことが多いと思いますが、手術で摘出した物を標本にしたり、検査をして「どんな癌細胞か見極める」のは病理医です。この勉強会は、ふだん患者の立場では接する機会の少ない病理専門のドクターのお話を聞くことができた貴重な機会となりました。

前半は梅村先生の講演でした。「病理医とはどんな仕事をしているのか?」に始まり、そもそも乳腺とはどんな組織かということ、そしてメインの話題である「どんな癌細胞なのか見極める」に及んでいきました。
乳がんの組織学的分類、細胞の悪性度とは何なのか、ホルモンレセプターやHer2受容体はどのように定量しているのかなど、豊富な病理標本のスライドを見ながらの解説でした。英語で書かれた難しい病理診断報告書を、自分の病気を理解し、治療法を選択するためのベストアイテムに変えることができるような講演に感じられました。

休憩時間を挟んだ後の後半では、あらかじめ多く寄せられた質問事項の他、会場からの質疑応答が活発に行われました。最近ホットなトピックとなっている、微小転移やトリプルネガティブについての話題も取り上げられました。また、病変部分の遺伝子発現を調べることで、より再発リスクが分かる方法も現在開発が進んでいるそうです。
講演の最後に先生が温かいまなざしで語られた言葉「乳がんを患うこと。それは真剣に生きれること。自分のために精いっぱい生きることが、同じ病気を患う他の人のためにもなること」が心の中にいつまでも響いた勉強会でした。

勉強会終了後、小さなイタリアンのお店を借りきって懇親会を行いました。参加者19名がひとつのテーブルで梅村先生を囲んでの談笑。初めての参加の方も多かったのですが、すぐに打ち解けてあっという間の2時間でした。
楽しかったひと時・・・少しでも不安をちっちゃくして帰ってもらえればそれで私たちは満足です!!またお会いしましょう。

<講師の梅村先生から>

自分にとって講演は小さな“旅”のようなものです。講演では自分の良いところも悪いところも総てが現われてしまいます。至らない点はお許しいただき、一時間ほど自分の小さな宇宙にお付き合いいただく、ような感じです。
先日の講演では、沢山の質問をいただき、大変有難く感じました。質問するという一人一人の小さな勇気に元気づけられました。
また、どこかでお会いできるのを楽しみにしております。

<参加者の方々のアンケートから>

自分の病理結果は、主治医より説明されたので、病理の先生からの説明は大変参考になりました。また、後半の質疑応答は、具体的なお話を直接聞くことができ、とても参考になりました。先生の応答がとても簡潔で、又感情移入せず淡々とお話していただいたことがとても良かったです。(患者本人、術後1年7ヶ月)

とてもわかりやすい説明で、がん細胞が自分の細胞から派生していることがよく理解できました。又、私自身トリプルネガティブで迷いの中にいるので梅村先生のお話に勇気づけられました。益々のご活躍を期待しております。(患者本人、診断後3年5ヶ月)

わかりやすい説明で病理診断の方法がよく分かりました。(患者家族、パートナー)

今まで何となくきいていたり、みていたことが、わかるようになりよかったです(特に用語)。治療や診察の際にドクターの言われることがよりわかりやすくなると思います。基本的なことを素人の私たちにもわかりやすく説明して下さり、講師の先生に感謝します。(患者本人、術後8年)

== 講師ご紹介 ==
 梅村 しのぶ 先生
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1985年 弘前大学医学部卒業
1985年 津軽保健生活協同組合健生病院 臨床研修医
1992年 東海大学病院病理診断科 臨床助手
1995年から東海大学医学部総合診療学系病理診断学部門助手、1998年講師、2003年助教授を経て、2007年からは東海大学医学部基盤診療学系病理診断学領域准教授
日本病理学会専門医、日本臨床細胞学会専門医、日本乳癌学会評議員、日本組織細胞化学会評議員、日本内分泌学会代議員
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〜梅村先生からのメッセージ〜
“癌細胞”に対して漠然とした恐れを抱いていませんか。病理医は毎日癌細胞を診ていますが、癌細胞も元はと言えば私たちの体の細胞から発生したものです。一人でも多くの方が、漠然とした不必要な不安から解放されてほしいと願っています。そして、敵を知ることが、自分にとっての最適な治療法選択の助けになればと希望しています。

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